アルタイル*キミと見上げた空【完】
「てか、俺こっちにいたって言っても、ほんの少しだったし。知らない奴のほうが多いと思うし……サキ、花火始まるぞ。行こう」
サキちゃんの肩を軽く叩いて、凱はくるりと背なかを向けた。
「あ……、待ってよ、ガイ」
サキちゃんは、ぺこっと私たちに頭を下げてから、彼の後を追っていった。
途端に体の力が抜けて、そばの木に思わず手をついた。
「汐……大丈夫?」
凛の声に、ようやくはっと気がつく。
しっかりしないと、いけないんだった。
「ごめん。大丈夫。ね、トモも凛ももう行かないと。みんな呼んでるよ?」
向こうで、何も知らないメンバーのみんながこちらに向かって手を振ってるのが見える。
きっと、サキちゃんが先に行っちゃったから急いでるんだ。
「でも。。。」
「おかしく思われちゃう。大丈夫。もう少しで修ちゃん来るだろうし、私ここで待ってるよ」
凛は心配そうだったけど、何かあったらすぐにメールか電話してね、と言ってトモと一緒に雑踏の中に消えていった。
修ちゃん……お願い早く来て。
携帯を開いた私に、隣りからふいに名前を呼ぶ声が聞こえた。
「あれ?堂島さん?」
……っ!?