アルタイル*キミと見上げた空【完】

途中で、あの男にまた会ったらどうしよう、という気持ちはあったけど、それより早く修ちゃんに会いたくて、新しく決まった待ち合わせ地点の花火の打ち上げポイントに歩幅を早めた。



みんなが進む同じ流れの中に入ってしまうと歩くスピードも自然と速くなる。



このまま同じように歩いていけば、


このまま流れに乗っていけば、



必ず確実な目的地まで行けるのはわかってるのに。



「あ…」



思わず足をとめたのは。



参道わきの木陰の中にキラキラ光るものが見えたから。



何だろう。



人の流れから一歩足を出して、そこに近づいて見ると、遠目にやっとそれが木にひっかかった銀色の風船だってことがようやくわかった。



誰かの手から抜け落ちたものがそのまま木に引っ掛かってるんだろう。



そういえば……昔もこんなことがあったな。



修ちゃんと立ち寄った夏祭り。



同じように木にひっかかった風船。



あの時は……確か………













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