アルタイル*キミと見上げた空【完】
リングとキーホルダー
「あ、汐さーん!こっちこっち!!」
大きく手を振るサキちゃん・・・・。
さっき見た光景が頭の中に蘇ってきて、私はなんとなく彼女の方を見ることが出来なかった。
「汐?」
サキちゃんの隣にいる修ちゃんが私の顔を不思議そうに覗きこむ。
「ごめん、道迷っちゃった。えへへ」
「俺が先にこっち来ちゃったからだよ。待っててくれてたんだろ?」
「ん?・・・・・あ、うん」
思わず言葉を濁してしまった。
「汐さん、修ちゃんずっときょろきょろしてるんだから。みてておかしかったよ?」
サキちゃんは、修ちゃんに頭を叩かれながら言葉を続けた。
「あ、そだ。汐さん、ガイ見なかった?」
え?
「さっきから電話してんのに、全然つながらなくて・・・・。おかしいな・・・後から来るって、言ってたのに・・・」