アルタイル*キミと見上げた空【完】
つながれた指から、修ちゃんの体温がじんわりと伝わってくる。
あったかい・・・。
徐々に、さっきまでのうわずった気持ちが落ち着いていくのを感じた。
それと同時に思い出す。
あ、そうだ。
さっきのあの男の人・・・。
修ちゃんによろしくって・・・。
けど・・・。
「ん?」
目が合うと、微笑んでくれる修ちゃんには。。。言えないよね。言わなくてもいいこと、だよね。
「ううん。なんでもない」
「汐、ちょっと落ち着いた?」
「え?」
「いや、さっきさ、顔色が少し悪かったからさ」
「大丈夫だよ?」
慌てて頬を両手で押さえると、修ちゃんは私の耳に顔を近づけてつぶやいた。