アルタイル*キミと見上げた空【完】

「汐、帰ろう」


修ちゃんに手を引っ張られて、ようやく我に返る。


「う、うん」


人ごみの中から抜け出ようとした私達の後ろから修ちゃんの名前を呼ぶ声が聞こえた。



「栗原さんも・・・・汐ちゃんと付き合ってるんですよね」



それは何気のない質問だったけど、私の手を握る修ちゃんの力が少しだけ強まった気がした。



「ばかっ、何言ってんだよ」


その子の頭をはたいて、トモが一生懸命話を変えようとしてくれてるけど、


他の男の子達は、うなずく人とへぇ~~、と驚く人と半々、という感じだった。


「見てたらわかるし、な?」

「え~~~、俺ちょっと汐ちゃん狙ってたのにな~マジで?」

「ま、コーチ相手じゃ誰もかなわない、って」



あの、え、えっと・・・・



なんか、帰りづらくなっちゃったん、ですけど。


てか、あっさりばれてるし。



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