アルタイル*キミと見上げた空【完】
隣の修ちゃんを見上げると、
修ちゃん・・・・?
修ちゃんは、黙ってじっと一点を見つめてる。
その厳しい視線に、先をたどっていくと・・・
凱・・・。
笑ってるサキちゃんに腕をつかまれたまま、そっぽを向いてる凱がそこにいた。
「修、ちゃん・・・・・・」
思わず握った手に力をこめると、修ちゃんは我に帰ったように、でも私の顔をみないまま
「帰ろう」
と再び手を引いた。
「ね、ちょっと。修ちゃん」
私が呼び止めるのと、サキちゃんが明るく私達に声をかけるのとほぼ同時だった。
「ふたりは結婚するんだもんね?」
え?
思わず動きを止めて後ろを振り返ると、サキちゃんが屈託なく笑いながら話してるのが見えた。
固まる私と修ちゃんを取り残して、盛り上がるメンバー達。
「ま、まだそんなのわかんねーんだよな、な?汐」
「きまってるわけじゃないんですよね、修也さん」
凛とトモだけが必死にフォローしてくれてるけど、騒ぎは大きくなるばかりだ。
花火を待ってるほかの観客の人もこの騒ぎにちらちらこちらを見てる人が多くなってきた。
凱は・・・・
まだ、さっきと同じようにただ横を向いてるだけ。