アルタイル*キミと見上げた空【完】
「汐?」
振り向いた修ちゃんの表情に、ふとあの時怪我をしながら私を気遣ってくれたあの時の表情が重なったような気がした。
「修ちゃん・・・・これ・・・」
袋の中から掌の上に出したものを見て、修ちゃんは驚いたように目を見張った。
そこには、あのリング・・・。
「修ちゃん、私と・・・結婚して、くれますか?」
「汐?」
途切れた修ちゃんの声に、少し大きくなった皆の歓声が重なる。
私はその中で、修ちゃんにリングを差し出した。
手が少し震えてるのがわかる。
「修ちゃん、これ、つけてもいいかな・・・?」
「けど、汐。お前・・・」
彼は何かを言おうとしたけど、私は必死で首を横に振った。
お願い。
お願い、します。
もう、自分の選択を後悔したくないの。