アルタイル*キミと見上げた空【完】
「あら〜、汐ちゃん。すごくキレイ!ね、修也」
お母さんが修ちゃんの肩をぽんと叩いたその時。
固まったままの修ちゃんの顔がかっと赤くなった。
瞬間、大きな掌を口に当てて顔を隠すようにしながら、修ちゃんが横を向く。
そして一言。
「やばい」
修ちゃん・・・。
耳まで赤くなってる。
「あらあら・・・、じゃ、私達は他のドレスを見てくるわ」
お母さんが、お店の人と共に少し離れたコーナーに移ると、修ちゃんが大きくため息を吐いてから、ようやく私の正面に立ってくれた。
「へへ。こんなのはじめて・・・って、はじめて、って当たり前か…おかしく、ない?」