アルタイル*キミと見上げた空【完】
「堂島様?」
「え・・・あ、はい」
店員さんが何もなかったように話を続けてくれたのは、きっと何かを察してくれたんだろうな。
あのネックレスはいつの間にかもう片付けられていた。
「ありがとうございます」
小さな声でつぶやくと、そのお姉さんは何も言わずにニコッと笑って、さぁどうぞ、と手を差し出した。
「撮影はチャペルで行いますので」
「チャペル?」
そんなのがあるの?
「皆さん、驚かれますけが、試着された際に参考になされたいとご希望いただいたお客様にお通ししてるんですよ」
「へぇ~~~・・・・」
「素敵な婚約者様もお待ちですよ」
「え?」
ギィッ
茶色い大きな扉が開かれると明るい光が広がった。
そして、目の前に・・・・
「修ちゃん」
やわらかい笑顔が私を待っている。
いつもと同じ、そして今も、これからもきっと変わらないその優しい笑顔で私を包んでくれているんだ。