アルタイル*キミと見上げた空【完】
ここが仮のチャペルなんて信じられない。
っていうのは、高い天井に、正面には本物の空が広がっているから。
係のお姉さんとバージンロードを歩きながら、思わずきょろきょろしちゃってる私。
「汐、口開いてる」
くすくすと笑う修ちゃんの声が聞こえて、慌てて両手で口を押さえると、隣のお姉さんもぷぷっとおかしそうに噴出した。
宣誓台で待つ修ちゃんの元に立つと、二人して空を見上げた。
差し込む光と、そびえる大きな木の緑に、思わずため息が漏れる。
「すごい・・・」
「ほら、また・・・・」
そう言って、修ちゃんが私の頬を両手で包んで視線を合わせた。
修ちゃん・・・。
薄いグレーのタキシードに身を包んだ修ちゃんは・・・
「かっこいい・・・」
自然と漏れた私の言葉に、修ちゃんは顔を真っ赤にしてうつむいた。