アルタイル*キミと見上げた空【完】
「ちょ、待ってよ、ガイ!……ごめんね、汐さん。またすぐに来るから」
そう言って、サキちゃんは凱の後を追って扉の向こう側へ消えた。
「ま、……まーまー、なにかしらね。騒がしいこと」
ふふふ、という修ちゃんママの笑い声で、再び空気が戻ってくる。
でも……。
さっきから繋がれたままだった手はぱらりと外れた。
「修ちゃん……っ」
「汐……お前、本当にこれでいいのか?」
「え……」
搾り出すような低い声の質問に、私はただかすれた声を返すしか出来なかった。
なにも……
言うことが出来なかったんだ。