アルタイル*キミと見上げた空【完】
「やっぱりすごい騒ぎだな・・・」
「修ちゃん、知ってたの?」
「あぁ。今日彼が来るって聞いたから、早めに来たんだ」
前を向いたままの修ちゃんと交わす背中越しの会話。
ほっと、力が抜けるようだ。
それでも、周りの声に、私はさっと手を振り払った。
「栗原さん!」
「修也さんだ!」
すっかり有名人の修ちゃんは、もう生徒達の注目の的になってる。
少し後ずさりをして私はもう見慣れたその光景を見つめた。
だから、ばれたらだめなんだ。
修ちゃんはただの助っ人コーチであって現役大学生。
別に付き合ってたらダメってことはないけど・・・。
なんとなく、この状況を見てたらいえないな、って思う。