アルタイル*キミと見上げた空【完】
星空の涙
親善試合まであと1週間。
凱がアメリカに帰るまで10日をきったある日…。
「堂島汐さんですよね?」
見覚えのない番号に、首をかしげながら電話に出ると、耳元で悪寒が走った。
これ、もしかして……。
「くっくっくっ…なんか話してよ。祭の時に楽しく話したじゃん?」
あの男…。
私を襲い、修ちゃんにケガをさせた超本人。
「な、んで…この番号……知ってるの?」
練習中の体育館から廊下に飛び出ると、電話の向こう側で笑い声が聞こえた。
「だってこの前『またね』って言ったでしょ?」