アルタイル*キミと見上げた空【完】
彼の香り
その時、隣の席が揺れたと思ったら・・・
「デネブ・・・ベガ・・・・アルタイル・・・」
懐かしい、少し低い声が次々と星を指差してゆく。
「凱・・・」
隣で星空を見上げた凱は荒れた息を整えるように、大きく息をついてから私を見て笑った。
「やっと、見つけた」
泣き顔を見られたくなくて、ごまかすようにそっぽを向いた私の頭をぽんぽんと叩く大きな掌。
なんで、ここにいるの?
なんで、ここがわかったの?
そんなことは、聞かなくてもわかる。
どうして、私を探してくれたの?
どうして、そうやって笑ってくれるの?
そんなの・・・ずっとわかってた。