アルタイル*キミと見上げた空【完】
キスキス
不思議な夢を見た。
見上げる白い天井は保健室かも、ってわかるのに、
体が動かなくて。
近づく影に思わず目を閉じた。
瞬間触れた唇は、優しくて、あったかくて、
息が止まるほどびっくりしてるのに、なぜか目を開けることが出来なかったんだ。
けれど、それはほんの一瞬のことで、
再び顔が離れると、今度はそっと私の前髪を少し揺らしていく指の感覚がわかった。
だけど、私は目を開けることが出来ない。
誰なのかわからないということは、きっとすごく恐怖のことでもあると思うのに、
私はそれが心地よくて、なぜかはわからないけど、落ち着いた気持ちで、もう一度眠りの中に入っていくんだ。