アルタイル*キミと見上げた空【完】
「ん?起きた?」
あ・・・・・・・
はぁっ、と息を吐いて近くに寄った「彼」の姿に、無意識に布団で口まで隠した。
「体、まだしんどい?」
ううん。
思い切り頭を横に振ると、ガンガンと痛みが鈍く走って、思わず顔をしかめた。
「ほら、まだ熱、あんだよ」
「え?」
「雨にぬれて熱出したんだよ。ほんと・・・昔から、変わらないよな。傘くらいどっかで買え」
そう言って、「彼」・・・凱はコツンと私のおでこをはじいた。
だって・・・そういえば凱が傘をいつも差し出してくれたから。