アルタイル*キミと見上げた空【完】
凱の用意してくれた薬を飲んでベッドに横たわった。
「じゃ、俺は向こうにいるから何かあったら言って。電気切るよ」
「うん・・・」
パチン、という音と共に、暗闇が部屋を支配する。
けれど、さっきまで降ってた雨がやんだのか、カーテンの向こうから月の明かりが薄く部屋に差し込んでいる。
「じゃ、おやすみ」
トレイを持って寝室から出て行く凱に、思わず声をかけた。
「凱」
「ん?」
止まった背中に、言葉を続ける。
「いろいろ、ありがとう。探してくれて・・・ありがとう。おかゆ・・・・・・本当に美味しかった」
「・・・・・・・お前だから」
「え?」
「あんな記事が出て、お前が今一番辛い時期だってわかってるのに・・・俺少し喜んでる・・・サイテーだろ?」
「凱・・・?」