アルタイル*キミと見上げた空【完】
でも・・・・・それすらいつの間にか忘れちゃってた。
今、その思い出が、見つめた凱の瞳に蘇る。
離れてる星と星とが近くになるってことは・・・・・ないんだ。
「汐・・・」
けれど・・・・・・・
離れたままだったら。
せめて今だけなら。
「凱・・・・そのままで聞いて?」
打ったような静けさの中、そして月明かりの中、私は凱を見つめた。
「好きだよ・・・・・・・凱」
こらえてた言葉が、あっけなく口からこぼれて、それは私の心にまたじんわりと染み渡っていく。
好き・・・好き・・・・。
このシンプルな一言をそういえばこの4年間、ほとんど口にはしたことがなかった。
というより、使えなかった。
それは、私のひそかな罪悪感。