アルタイル*キミと見上げた空【完】
一瞬、驚いたように見開かれた瞳は、すぐにほっとしたような表情に変わる。
凱・・・。
好きだよ。
昔から変わらない、その笑顔も。
凱の見せる表情ひとつひとつが、大好き。
「だから・・・・・・私は凱と一緒には行けない」
零れ落ちる涙と一緒に伝えた言葉に、凱がぐっ、と息を呑んだのがわかった。
「凱が好きだから。好きで好きでたまらないから。夢をかなえてる凱が大好きだから・・・だから、修ちゃんから離れるわけには・・・・・・いかないの」
「汐!」
電気の消えた部屋の中でカーテンが揺れた瞬間、
私は凱の腕の中に引き寄せられていた。
「もう、繰り返したくない・・・・繰り返したくない。今度こそ・・・・」
途切れた凱の言葉が少し震えてる。
「キャッ!」
気がつけば、立っていたはずの私の体は横になっていて、上には凱の体が覆いかぶさっていた。
「が・・・・・・・い・・・やめっ」
抑えられた手の先、指に光ったリングが私を捉えて離さない。