アルタイル*キミと見上げた空【完】
こみ上げてくる罪悪感が大きなうねりになって体中をかけめぐる。
「凱!・・・・・やめてぇ!!」
首筋に当てられた唇がゆっくりと離れるのを感じて、私の頭の中は完全に混乱している。
ほっとした気持ちと、
離れないで、という・・・・想い。
部屋の中に、ハァハァ、という荒い息の音だけが響いてた。
「ごめん・・・・でも、どうしてもとめられない。とめられないんだ・・・・・・っ!」
吐き出すようにつぶやいた彼は、今度はそっと、壊れ物に触るように私の頬にその長い指を滑らせた。
彼の香りがふんわりと鼻をくすぐる。
その甘いにおいは、切なさをともなって私の涙腺を再び刺激していくんだ。