アルタイル*キミと見上げた空【完】
「汐・・・・ごめんな。お前に全部押し付けてきたことに、改めて気がついたんだ。あの写真を見て、そう、思ったんだ」
「凱」
「あんなのは、お前じゃない・・・・この前の花火大会のプロポーズも、あの・・・ドレス着て笑ってるお前の顔も」
「・・・・・・」
首を横に振ろうとした私の顔を両手ではさんで、凱は顔を近づけた。
「汐・・・・・・・お前が好きなのって、俺だろ?」
「・・・・・・・っ!?」
ぽろぽろと涙がこぼれてゆく。
そしてそれはまるで、何かの線が切れたかのように、後から後から。
「俺も・・・無理やりお前を忘れようとしたこの4年間をもう終わりにしたい。そんなの・・・それこそ、所詮無理なことだったんだ・・・・・気づくのに遅れてごめんな?」
そして凱はふっ、と笑ってもう一度たずねた。
「汐、俺のこと好き?」
・・・・・・凱は、ズルイ。そして残酷だ。
4年間ようやくのことで保ってた私の心の奥底のラインを、こんなに簡単に超えてしまうんだから。