アルタイル*キミと見上げた空【完】
カーテンを開け、
「あら?」
と私と、修ちゃんを見比べる保健の先生に、
修ちゃんは
「今起きたところです」
なんて、すっかり「栗原さん」の口調で答えてる。
「それじゃぁな。しっかり直せよ」
なんて、私に声をかけて椅子を立った彼は
保健の先生が席に戻ったことを確認して、
「またメールする」
って小声でささやいた。
そのまま出て行こうとする修ちゃんに、
私は聞いたんだ。
「修ちゃん、ここに私が運ばれてからずっといてくれたの?」
修ちゃんは残念そうにかぶりを振って答えた。
「安東の手続きのことでなかなかこれなかったんだ。さっき来たとこ」
「栗原センセ?」
重なった保健の先生の声に、修ちゃんはもう一度にこっと笑ってカーテンの向こうに消えた。