アルタイル*キミと見上げた空【完】
オトナの恋。の答え

「寒い?」


「ううん・・・・大丈夫」


どれだけこうしてるだろう。


キスからもう時間の感覚はない。


電話も、時計も全部車の中で。


私達はただ、流木の上で並んで座っていた。


肩にまわされた凱の腕がやさしくて、それだけがとても幸せで。


地平線に沈む夕陽のオレンジ色と、その上を徐々に広げてゆく漆黒の空がいつまでも私達を捉えて離さない。


このまま、時がとまればいいのに。


そんな使い古された言葉さえうっかり口に出してしまいそうになるくらい・・・。


「汐、帰ろう」

「え?」


隣を見るとニコッと笑った凱と目があった。


「・・・・・もう少し、ダメ?」


もう少ししたら、きっと広がる星空を。


海に映りこむくらいのたくさんの星達を、凱と見たいから。


「ん~~・・・・なんか、寒いっ!」


「え?」


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