アルタイル*キミと見上げた空【完】
「凱・・・?」
思わず顔をしかめる私に、凱は少しうつむいてからまた海の方を向いて話した。
「や・・・・。俺もこのままずっといたい・・・けど、そういうわけにもいかないだろ?」
「・・・・?」
首をかしげた私の鼻をぴん、とはじいて凱は自分の頭をくしゃくしゃと掻いた。
「このまま、場所なんて関係なしにお前を無茶苦茶にしてしまいそうだから」
「え・・・・」
ぼっ、と顔が熱くなる。
「ほら、そんな顔、すんな・・・。俺だってさっきからぎりぎりのとこで我慢してんだから」
うわ~・・・・・本当に恥ずかしい。
「けど・・・・お前が抱えてるもの。それを降ろしてやらないと、それはできないと思うから」
凱・・・・・。
抱えてるもの・・・・・・?
「さ、行こう」
ほら、と私をひっぱりあげる右手は、そのまま私の背中やお尻についた砂をぱんぱんとはらってくれた。
「凱?」
「もうひとつ、行きたいところがあるんだ」
「え?」
「もうちょっとだけ、つきあってよ。な?」
「う、うん・・・」