アルタイル*キミと見上げた空【完】
時々通り過ぎてゆく車の音が、ザー・・・ザー・・・とノイズ音のように時々ライトの明かりと共に車内を照らしてゆく。
「・・・・・」
「サキから電話があったんだ・・・。多分、お前と話して直後だと思う。かなり興奮してる様子だったから」
ハンドルに頭をおしつけるようにして凱が話す声が耳に響く。
「俺、全然あいつの気持ちなんか気づいてなくて・・・けど、それが結局あいつを傷つけることになったんだよな・・・・」
さっきのサキちゃんの少し青い顔が思い出された。
であったときは、好きな人がいる、ってピンクの頬をして笑ってたサキちゃん。
私は・・・裏切っちゃったことに、なるんだよね。
なかなか、凱とのことを言い出すことも出来なかった。
サキちゃんは、本気で修ちゃんとの事を応援してくれてたのに・・・・。
「でも・・・・そこで嘘はつけない。俺は言ったよ。自分が好きな人が誰だって。もう・・・汐しか見れないんだって。それはこの先きっと変わることがないんだって・・・」
ふわっと重ねられた手の温かさに、思わず顔を上げた。
「汐、好きだよ・・・・」
「凱、私も・・・・大好き」
凱はふわっ、と嬉しそうに笑って、言葉を続けた。