アルタイル*キミと見上げた空【完】
「修ちゃん・・・」
「ごめんな」
同時に重なった言葉は、お互いの顔を見合わせた。
修ちゃんの顔・・・・少しやせた?
ていうより、ちょっとやつれてる・・・・?
そんな私の視線を外すように、修ちゃんは目の前のコーヒーを一口飲んでから、言葉を出した。
私の顔は見ずに、ただそのカップを手にしたまま。
「ごめんな。急にあんな記事が出ちゃって・・・」
「・・・ううん」
「けど、もう汐のところとかにへんな取材が行くことはないと思う。そこはちゃんとしといたから」
「え?」
私が驚いたのはその内容のことじゃない。その話し方。
修ちゃん、こんな話し方をするんだ、って初めて聞く感じに戸惑いを隠せずに、私はただ聞くことしか出来なかった。
「お前に何度か接触してきただろ?あの男。やっぱり俺に対しての個人的恨みかららしいから、汐には関係ない。今後は心配しないでいいから」
「・・・・はい」
「今日は汐に会うつもりはなかったから、ここまで言うつもりはなかったんだけど、いい機会だし、お知らせまで・・・」
「修ちゃん・・・・どう、したの?」
「は?」
残りのコーヒーを飲みきった修ちゃんが、カップを置いて私を見ないまま机の上のレシートを手に取った。
「じゃ、それだけ」
「ちょっと、待って!・・・・修ちゃん、待って・・・・・私も話したいことある。それに・・・・どうしたの?なんか・・・・変・・・」