アルタイル*キミと見上げた空【完】
でも、人の目なんか気にしていられないほど、頭も掌もじんじんと温度を上げていく。
「修ちゃん。何、言ってんの?」
悔しくて。
唇をかみ締めるのと同時に、目からこぼれた涙がテーブルクロスにしみをつくる。
「なんで?」
「なんで?・・・・・聞いたんだよ」
「え?」
「あの、花火大会のときに、お前が会ったあの男から」
ドクン。
「俺も会いたくなかったけど、記事をもみ消すのにさ。会わなきゃいけないだろ?その時に聞いたんだよ。お前と凱が抱き合ってキスしてた、って・・・・」
「え?」
「ははは・・・・それでか。ってわかった・・・・お前がプロポーズを受けたことも。全部全部あいつのことを忘れるためなんだって・・・・思った」
嘘。嘘だよ。