アルタイル*キミと見上げた空【完】
カタンッ
音が聞こえて、目の前でにぎりしめていた両手から頭を上げると、ドアの近くに立っているサキちゃんが目に見えた。
サキちゃん・・・。
もう、目が真っ赤になってる。
きっと、いっぱい泣いたんだ・・・。
「凱は・・・・凱は・・・!?」
思わず立ち上がると、サキちゃんは少し息をついてから涙声でなんとか声を絞り出した・・・・・・。
「だい、じょうぶだって。脳しんとうを起こしてるだけだって。後は、どこにも異常はないって・・・」
ドクンッ。
ようやく心臓が動き出す。
体中に、血液が送り出される。
凱・・・・
凱!
生きてる!
「よ、かった・・・・・」
よかった・・・・
両手で顔を覆うと、いつの間にかぶるぶると体が大きく震えだしてるのがわかった。
「サキちゃん、ありがとう・・・ありがとう」
何度もくりかえして椅子から背を起こすと、
サキちゃんが低くつぶやいた。
「汐さんは・・・残酷だね」
え・・・?