アルタイル*キミと見上げた空【完】


「だって、そうじゃない。汐さんのために、修兄がどういう気持ちで・・・・っ。知らないから今だって一緒に手をつないで来れるんだよ」


「何も、しらない、って?」


出かけた涙が、すうっ、と引いていく。


サキちゃんは、少し言いよどんだ後に、きっ、と私を見て話を続けた。


「修兄は、汐さんが好きだよ。今でも。すごく・・・・好きなんだよ」


「サキちゃん・・・それは違うよ・・・?修ちゃん、もう幻滅したって。あの写真の・・・」


「サオリって人でしょ?」


「え?」


サキちゃん、サオリさんのこと知ってるの?


「・・・・あの写真も・・・修兄が撮られるの覚悟でサオリって同級生だった女の人に頼んだんだって」


は?


どういうこと?



今ひとつ、頭の中でつながらない。



「私!・・・・私、今回の記事のことで聞いたよ。汐さんとガイが昔付き合ってたって・・・」


あ・・・・・・


「サキちゃん、ごめんね・・・」


言えなくて、と言おうとした時にサキちゃんが私から視線を外した。


「ショックだった。そのこと自体過去のことだし・・・仕方がないけど、あぁ、もしかして汐さん、私がガイのこと話してるときに・・・笑ってたのかな、って」


「サキちゃん、違う・・・っ!」


「アハハ・・・・それでも私は汐さんが今は修兄のこと好きだ、って思ってたから・・・信じてたからっ」



サキちゃん・・・・




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