アルタイル*キミと見上げた空【完】
キミと……
どれだけそうしていただろう。
ドアの向こうが急にがやがやし始めて、ぼんやりと顔を上げた。
凱・・・・・。
どうなったんだろう。
会いたい。
会いたい・・・・けど・・・・会えないよ。
あんな話を聞いたら・・・会えない。
修ちゃんの話を聞いたら・・・・・・そんなの無理だよ。
ざわめきが少しおさまったところで、ドアを開けると、廊下の向こうの方、凱のいる部屋の方に、ジャージを着た人たちが多くいるのが見えた。
メンバーの人たちかな。
試合、終わったんだ、きっと・・・。
そして、ドアを後ろ手に閉めて、私は逆方向に歩き出した。
凱・・・・
行けなくてごめんね。
何も知らずに、気づかないふりをして凱の優しさに甘えてごめんね。
ごめんね・・・。