アルタイル*キミと見上げた空【完】
日が落ちて薄暗くなりかけてる空の下、私は体育館の扉を開けた。
観客の人たちはもう帰ってしまって、
中に入ると、数人の人たちが道具を片付けているところだった。
さっき何時間前に凱を待ってた廊下で探してみるけど・・・ない。
それじゃあ・・・
ギャラリー席の座席の近くを見たけど・・・・
「ない・・・・ないよ・・・」
ないよ・・・・凱。
荒れた息をそのままに座席に座り込む。
ここで、凱を見たかった。
バスケをしてる凱を見たかった。
なのに・・・
私は知らないうちにそれをなくそうとしてたの?
大切なキーホルダーさえ・・・なくしちゃったの?
「ないよ・・・・どこにもないよ・・・・凱・・・」
伏せた目にどんどん涙が集まってきて、それが滴となって落ちるその時に、聞こえた声に、思わず息をのんだ。
「汐!」