アルタイル*キミと見上げた空【完】
「修ちゃん・・・・・・足・・・」
走ることは難しいだろう、それはバスケをプレイすることには致命傷なこと。
そういわれてた修ちゃんが今、私の目の前で・・・
「なん・・・で?」
大きく目を開いた私の前で、修ちゃんは転がったボールを見つめた。
「1年前に・・・・可能性があるかも、ってことで手術を受けたんだ。今までリハビリ続けてきて、ようやく最近になって動きを思い出してきたとこ・・・」
「修ちゃん・・・・っ」
「汐っ・・・・・!」
重なった声に、言葉を止めると、修ちゃんはためらいがちに目を伏せてから私を見つめた。
「汐、ごめんな・・・・。俺嘘ついてた。このことを・・・このことを汐に言ったら、もしかしてお前が離れてくんじゃないか、って・・・」
「修ちゃん」
「だから・・・」
「修ちゃんっ・・・・良かった・・・」
「え?」
修ちゃんが、顔を少しだけしかめた。
「良かった・・・良かったぁ~・・・また・・・・バスケが出来るんだよね」
涙でぼやけて、修ちゃんがよく見えない。
「汐・・・・」
目の前の修ちゃんが私との距離を縮めようと2,3歩進んでその足を止めた。