アルタイル*キミと見上げた空【完】
「修ちゃん・・・・修ちゃん・・・・・・」
うつむいてただ名前を呼ぶしか出来ない、そんな私の視界がぐらっと揺れたかと思った瞬間、
「汐・・・・」
抱きしめられた修ちゃんの腕から離れることが出来なかった。
その体が少し震えてるように感じたから。
「修ちゃん・・・・」
「この前、ごめんね。汐を傷つけた・・・・」
「ううん・・・・私のほうこそ・・・ごめん」
「俺・・・汐と過ごせて本当に良かった。バスケが好きだっていうこと、思い出させてくれてありがとう・・・」
修ちゃんの低い声が耳に優しく響く。
「修、ちゃん」
一瞬だけ、力がこもったように感じた腕の力はすぐに緩んで、私の体を解放していく。
目の前には修ちゃんは笑った。
「行って?汐」
かすかに横に揺らした私の頭に手を置いて修ちゃんはもう一方の手で自分の顔を覆った。
「さっき、電話があった。凱がいなくなったって」
「・・・え?」