アルタイル*キミと見上げた空【完】
顔を上げると、修ちゃんは片手で顔を隠したまま、言葉を続けた。
「病院からいなくなったって。今、探してるけど、部屋にもどこにもいない、って・・・」
凱・・・・?
もしかして・・・・・
今日は・・・・・晴れてた。
「汐・・・・お前ならきっと見つけられる。アイツのこと・・・・お前なら」
「修ちゃん・・・でも・・・」
「もう答えはひとつしかないんだ。汐・・・早く行け!」
そうして、修ちゃんはもう一方の手で私の体をくるりと後ろにむけて背中をぽんと叩いた。
「修ちゃん・・・修ちゃん、ありがとう」
私は走り出す。
コートの外へ。
体育館の外へ。
修ちゃんの元から・・・・走り出したんだ。