アルタイル*キミと見上げた空【完】
アルタイル

サキちゃんからの着信にディスプレイをしばらく眺めてから携帯を開くと、彼女からのメッセージが2度に別れて入ってた。


『汐さん、ごめんなさい。凱が事故をしたのって、本当は私のせいなんだ。

今朝・・・朝試合の前に凱の部屋に押しかけたのは私。

玄関前ではっきり言われちゃったんだ。『サキは大事な友達』って。

そう。きっぱり振られちゃったの。

けど・・・・私それが悔しくて、つい・・・凱の持ってたいつも大事にしてるキーホルダーを道路に向かって投げちゃった。それで凱が・・・・。

認めたくなくて。

絶対に認めたくなかったのに・・・凱は倒れた時にも、病院で眠ってる間も、ずっと汐さんの名前を呼んでたんだ。

・・・・修兄の考えてること全然理解出来なかったけど・・・今ならわかる。

好きな人が幸せになってほしい、って思うから・・・。

汐さん、凱が病院からいなくなっちゃったの。

『今日晴れてる?』って聞くから、『うん』って答えたら、『じゃ、行かなきゃ』って嬉しそうに笑ってたのが最後に見た姿。

汐さん・・・・本当にごめんね。お願い、凱を見つけて。

汐さんだったら、きっと見つけられる、って思うから』



サキちゃん、ありがとう。


皆、ありがとう。


こんな私達を許してくれて・・・・・本当にありがとう。



< 638 / 640 >

この作品をシェア

pagetop