アルタイル*キミと見上げた空【完】
そんな私を見て目の前の彼はまたくすっと笑って、言ったんだ。
「気づいた?汐。久しぶり」
朝陽をうけて、微笑む彼は昔と比べて身長も声も変わってしまってるけど、
その瞳はよく見ると、確かに私の幼馴染、凱その人で。
ずっと気になってた人との再会なのに、
「凱、なんで・・・」
という言葉だけで、私は、何もしゃべることが出来なくなった。
あの時の想いが胸に押し寄せる。
と、同時に目から熱いものが零れ落ちだしたのがわかった。
「泣くなよ、汐・・・」
少し困ったように私の頭に手を置く、その腕も、しゃべり方も、
やっぱりあの時のままだ。
本当に・・・
凱なんだ・・・・