アルタイル*キミと見上げた空【完】
やきもち
「安東・・・・汐?」
体育館から出てきた凱と私を見て、
修ちゃんの驚きは後半私の名前を呼んじゃったことでわかった。
「・・・・・・ってどうしたんだ?」
と、同時にいつもより低い声で私と凱を見比べる修ちゃんの顔。
あ・・・
私の目。
「安東・・・お前?」
「栗原さん、違うんです!ちょっと私がドジしちゃって落ちちゃって、で・・・安東、君に助けてもらったから・・・本当に違うんです」
必死でわけのわからない言葉をつなげる私を遮るようにして、
凱は修ちゃんを見て少し笑った。
「何もないですよ。てか・・・心配なら目を離さないようにしといたら?」
そう言って去っていく凱の背中に、
私は「ばれてる・・・よね・・・?」
って確信してたんだ。
あいつのあの皮肉。
昔から変わってないとしたら・・・絶対私の勘は当たってる。