アルタイル*キミと見上げた空【完】
中学もバスケを続けて、希望いっぱいでこの高校にきた私だったけど…。
「入学してすぐに腰を痛めちゃって……えへ。間抜けだよね……」
なんのためにこの高校を選んだのか全く意味がない、ってひどくふさぎこんでいたあの頃。
「けど、凛やトモ達に会って、自分がプレイするだけじゃなくて、人のサポートするっていうのもすごく、なんていうか、自分に向いてるんじゃないかな、って思えたんだ」
ざっと足を止めると、
もう目の先の海岸に、相変わらずふざけあってるクラブの皆が見えた。
自然と口が緩む。
そのまま、なんとなく聞いた言葉。
「凱はなんで今こっちに戻ってきたの?」
それが凱の表情を固くさせたのを、のんきな私は気がつかなかった。