おつかれマイハニー


「あたしは、水雫と矢澤を応援するよ」


……え。


「応援て何の」


真陽は私の両肩に手をのせた。


「水雫はさ、男慣れした方がいいって。矢澤かっこいいし。向こうがその気ならとりあえず付き合ってみなよ」
真面目な顔をして言う。


「や、やだよ!」


「だってさ、ずっと男苦手なままじゃこの先大変でしょ」



それはそうだけれど。
その相手が矢澤君である必要はないわけで。
克服するのが今である必要もないわけで。


「まぁ、あたしは矢澤の手腕に期待かな。泣かされたら慰めてあげるから」
少し楽しそうな真陽。


「真陽、なんか楽しそう」


「楽しいもん」


「ひどい!」


うふふと笑う真陽を尻目に私は矢澤君ファンから嫌がらせされないかが不安で、矢澤君自身に関してはあまり気に留めていなかった。




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