おつかれマイハニー
「水雫さー、矢澤とどうなってんの?」
真陽はあの件以来、矢澤君に対してきつい。
初めは面白がっていたのに、私が泣かされたと思ってからは態度が一変した。
「何もないよ」
「何かされたらすぐ言ってよ?」
「うん」
矢澤君はあれ以来話しかけてこない。
言葉を交わしたとしても「おはよう」と「ばいばい」「じゃーな」くらいだ。
「矢澤君と約束したんだよね」
「何を?」
「一週間私が他の女子から嫌がらせとかされなかったら、携帯の番号交換するって」
真陽は心配そうに言った。
「いいの?」
「私は嫌がらせとかがなければ番号くらい別にいいよ」
「水雫がいいならいいけど……」
矢澤君は、それほど嫌な人ではないと思う。
ちょっと変わってる気がするし、少し強引だったりするけれど。
(隣の席だし少しは仲良くなった方がいい、よね)