おつかれマイハニー

おかしい。

納得出来ない。



断ったのに、隣を歩いていること。


私を誘ったのに、真陽とばかり話していること。


おかげで話し相手を奪われたこと。




私はひたすらアスファルトを見つめていた。


この理不尽な状況に耐え、黙って歩く。



特別盛り上がっているわけではない。

真陽の矢澤くんに対するトゲは、完全に取れたわけではなさそうだ。


けれど、途切れない会話。



疎外感。



真陽なりに気遣っているのかも。


私が、男子と上手く話せないから。


矢澤くんの場合は、意図もなく素でやっていそうだけれど。


それにしたって、こういう仲間外れみたいなものは好きじゃない。



小六の記憶を呼び起こす。




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