おつかれマイハニー
『そりゃー恋だ』
夜になっても落ち着かない自分を持て余し、真陽に電話していた。
「……でも」
『いや、恋だね』
「……」
そうかもしれない、とは思う。
ふわふわ
ふわふわ
気持ちが浮わついてどうしようもない。
けれどそうであって欲しくない、それを認めたくない自分がいた。
「普通、こんなこと言われたら誰でもドキドキしない?」
こんな気持ち、告白されて相手を意識し出すのと変わらない。
きっとそう。
『かもね。
だけど、これが初めてじゃないでしょ。矢澤がそういうこと言うの。
それでも水雫は関わりたくなさそうにして遠ざけてたじゃん。
そんな気持ちになるってことは、やっぱり何かあって好きになっちゃったんだよ。』