ちょっと待って、流れ星
第一章・流れ星、落ちた
ひらりひらり。

桜の葉が舞う。緑の葉が芽吹き、花弁はとうに儚く散ってしまっていた。

とっぷりと陽は落ちていて、窓から漏れた明かりが柔らかくそれを照らす。


その他の明かりと言えば、少ない街灯とポツポツと建つ家の電気、半分の月明かりくらいで、わたしの部屋からは星がよく見える。

しっとりとした梅雨の真っ只中、貴重な晴れの日。

そんな満天の星空から流れ星を見付けたれたら、たとえ三回、願い事を唱えられなくても、素敵な事が起こる、なんて気がしたんだ。


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