ちょっと待って、流れ星
第二章・巡り巡り、泪
気付けば、窓からは光が降り注いでいた。窓のすぐ傍にある木の葉は朝露に煌めいている。

どうやらわたしは寝てしまっていたらしい。

茜さんが置いてくれた蝋燭はすっかりどろどろになってしまっている。

使わなかった布団を畳んでしまうと、やらなければいけないことも分からなかったので、そうと襖を開けてみた。


「あら、月子さん。おはようございます」

差し込んだ光に瞳を細めていると、ちょうど茜さんがやってきた。

洗面器ほどの桶と布に着物を抱えている。

持ちます、と言おうとしたが、茜さんは昨日の優しい笑顔を見せながら、部屋に入ってきた。

「お布団、畳んでくださったんですね。ありがとうございます」

そう言いながら、彼女は持ってきたものを丁寧に並べていった。

窓からの朝日に茜さんの美しい黒髪が艶めき、なんだか恥ずかしくなった。
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