ちょっと待って、流れ星
清和さんはポンと膝を叩いて、納得したかのように頷いていた。

「結界の揺れを感じはしたんですが……やはり彼らでしたかあ」

清和さんの切れ長の瞳がすうっとわたしの頬を撫で、目線をぴたりと合わせた。

ああ、何も言わなくても、分かってしまうのか。

力がある人なんだろう、と感心しつつも、心臓が不安に揺れた。

「しかし、結界は破られていない。大丈夫です、何も言わなくていいですから」

優しく細められた清和さんの瞳に安心感が広がった。

わたしはきっと何も答えられなかっただろうし、哀しげな瞳の朔を怖いとも思えなかったのだ。

「それより、あなたの母上にお会いしに行こうかと思いましてねえ」


その言葉にふつり、と思考が途切れた。

今までは朔に出会ったりと、色んなことが起こってくれたおかげで、頭のすみに追いやることができていたが、会いたいという感情が再び流れ込んできた。

会いたい、会いたい、会いたい。

ただそれだけに頭が支配された。
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