ちょっと待って、流れ星
わたしは、少しくらいお母さんに似ていますか。


答えが返ってくることは無かったけれど、もしかしたら、と思っていた。

窓枠に脚を掛け、ぐいと身を乗り出し、そこに座った。そうすると、少しだけ空が広がるのだ。

しっとりとした空気に頬を包まれ、そのまま夜空に沈んでしまいたい。


するり。

ふう、とため息を吐いたとき、星が空を滑った。


流れ星、だ。

初めて見たそれは一瞬だった。とてもじゃないけど、三回も願い事を唱えてる暇なんかない。一回だって難しいんじゃないか。


でも、そんなことより、流れ星が見れたことだけでよかった。

夜空に手を伸ばして、何度も何度も流れたそこを指でなぞる。


似てるよ。

そう、夜空が言ってくれた気がした。
< 4 / 28 >

この作品をシェア

pagetop