ちょっと待って、流れ星
高さから考えて、それは一瞬のはずだった。すぐに痛みがやってくると思った。

けれど、いつまでたってもそれはやってこない。


ぎゅっと閉じた瞳を開けると、確かにそこは地面だった。わたしはそこに仰向けに倒れている。

けれど、見慣れた場所ではない。


星空を見上げていた部屋の窓さえない。家が、無いのだ。

立ち上がることも忘れて、そこに座り込んだまま動けなかった。


目に映るのは、さっきまで見上げていた星空と、平屋建ての大きすぎる家とその立派な庭。

どうやらわたしは見知らぬお金持ちの家の庭にいるらしい。
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