ちょっと待って、流れ星
オズの魔法使いのように竜巻に飛ばされてしまったのだろうか。

そんなことあるはずないけれど、そうとしか考えられなかった。


一瞬にして見知らぬ場所にたどり着くなんてありえない。

いや、わたしは間抜けにもたった二階の高さから落ちて死んでしまったということも考えられないわけではない。さすれば、このちょっと現代ではお目にかかれそうもない造りの家にも説明がつく。

死後の世界でも星空が煌めいていて、月は蜂蜜色なんだ。


うまく全てを飲み込めないわたしはぼんやりとそう考えた。

そうとなれば、もう立ち上がることも面倒で、もう一度、地面に寝転がった。


ここには、お母さんもいるのかなあ。
お父さん、なんだかごめんね。


きっと死神かなんだかが迎えに来るだろうと決め込んでわたしはもう一度、天体観測を始めることにした。
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