伝説プリンセス
ヒロはスタスタと射的をしている所に行き
手前の台に置いてあるピストルを手にして
狙いを定めた。
バンッ
バンッ
バンッ
バンッ
ビンは粉々になり
周りは静まった。
あんな糸も簡単に…
しかも、片手撃ちで…
笛を首から下げているカウボーイのオッサンが
手を上げた。
「Cブロック予選通過!…えーと?…」
「ヒロ。」
ヒロはニコッとオッサンに笑いかけた。
「予選通過!ヒロ!」
うおぉ!と周りから歓声が上がる。
なっ何がいったい起きたんだ?
「なにやってんだよっ。
タイマンなんてしてる暇なんてねぇだろっ。」
ユウが吐き捨てた。
「すまんすまん。
つい手が伸びちゃって♪」
ヒロはいつもの気さくな笑顔で笑う。
ユウはふんっとそっぽを向いた。
「俺はこれから別行動をさせていただく。」
「え?」
ユウがヒロを睨みつける。
「俺はおめぇーらみたいに
遊んでいる暇はねぇんだ。
遊びたかったら勝手に遊んでろっ。」
そう言い捨てて
ユウは早い足取りで群衆の中へ消えていった。