伝説プリンセス
~Hunter~
「ほんと、まいったなぁ~。」
皆に嫌われちまったよ。
まぁ、ソーナル町でも嫌われてたから
慣れてるっちゃあ慣れてるからな。
あの時はピキが居てくれたし…。
「こらあっ!!!このガキがぁ!!!」
向こうのレストランからおっさんの罵声が聴こえた。
入口から飛び出してきたのは小さい3人の子供たちだった。
「やべえ!捕まる!!?」
3人は手にジャンクフードか何かを手に抱え逃げた。
「こっちだ!!」
昔の勘だかよく分かんないけど
オレはいつの間にか子供たちを裏通りに誘導してた。
追っ手はゴミ箱に隠れる俺たちの前を通り過ぎる。
「兄さん、何者だ?」
オレと一緒のゴミ箱に隠れた男の子が聞いた。
「旅人だ!」
騒ぎ声が消えた裏通りでオレはゴミ箱から出て
大きく伸びをした。
「なんでおいらたちを助けたんだ?」
今度は前歯がない男の子が口をぽかんとして開けた。
「いやぁ~。オレも同じようなことしてた身分でもあるし~。
それにガキん時から罪事を犯すなんて許せないしな。
助けるのはこの一回だけだぞ。」
って、失敬、失敬。
盗賊自体、犯罪ですがな。
「物を盗まねぇと生きていけねぇんだ。」
一番幼い女の子が言った。
(ライナより口が悪いな。)
「おいらたち…"みなしご"なんだ。」
"みなしご"という言葉に引っ掛かった。
こいつら、ピキと似てる・・・。
でも、ピキと違ってちゃんと仲間が居る。
「それで…お前らいつも物を盗んで暮らしているのか?」
「いーや、いつもじゃない。
姉ちゃんの仕事が休日の時においら達の恩返しで盗むんだ!」
前歯なしの男の子がニヒィっと笑う。
「姉ちゃん?」